ステージに上がる。

観客席からの大きな歓声が私を包み込む。

私の名前を呼ぶたくさんの声に泣いてしまいそうになる。

このステージを降りたくないと思った。

私を求めるたくさんの声に満たされていく。

やっぱりこういう所は変わっていないみたい。



「木下奈生です。」



私はいつだってそうだ。

求められて、満たされた。