俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


エントランスを出たところで、ちょうど会社に戻ってきた女性社員数人と出くわしてしまう。
目を丸くする彼女らに、社長ははすれ違いざまにっこりと爽やかな笑顔を浮かべる。

(うわぁ、速攻で目撃されてしまった……しかもキラキラスマイルかましちゃった)

ダラダラと冷や汗をかきながら、私たちはビルの地下駐車場にやってきた。
社長の愛用している高級外車の前に立つと、彼は甲斐甲斐しく助手席のドアを開けてくれる。

「乗れ」
「あ……ありがとうございます」

(意外と紳士的なんだな。『芽衣』だから? 秘書だったらぜったいあり得ないし)

ドキドキしながら、革であろう上質なシートに腰を下ろす。
社長は私が準備ができたのを確認すると、そっと私の右手を引き、大きな手で包み込んできた。

「⁉ 社長?」
「こうやってたら、気分が落ち着くだろ?」