「どういうこと……?」
『お父さんが失敗してるのは知ってるでしょう? 見かねたおじいちゃんがまたかじ取りを始めて、最近活気が戻って来てたんだけどこんなことになっちゃって……会社の雰囲気も最悪だし、何とか繋ぎ止めてきた重役の人たちも、辞めそうな雰囲気なのよ』
「そうなんだ……」
『結城家具』の経営が思わしくないことはよく知っていたけれど、想像していたよりずっと状況は深刻のようだ。
(私、みんなが大変な時に自分のことばっかりだった)
「あの、私に何かできることある?」
胸が痛くなってそう訊ねると、電話越しにお母さんのゴクリと息を呑む声が聞こえてきた。
『芽衣……こんなこと本当はすーーーーっごく言いたくないんだけど、今お付き合いしてる方はいるの?』
「えっ……」

