ホッと息をついている間に、扉が開く。
その瞬間、私の心臓は無条件に大きく跳ね上がった。
「快……と、秘書さん」
(華さん……!)
鍵の開いていない社長室の前に立っていた華さんは、私たちを見ながら深く眉間に皺を寄せる。
「あらあら、お取込み中だったようね。快にホテルの内装で快に相談したいことがいくつかあったのだけど、改めた方がいいかしら?」
華さんの言葉に社長はフッと笑顔を消し、エレベーターから出た。
私も急いで彼の後に続き、部屋の鍵を開けに行く。
(華さんにあんな姿見られてしまうなんて、最悪だよ。ただでさえ、目の敵にされてるのに!)
「ねぇ。もしかして二人とも、一緒に出社してきたの?」
背後から聞こえてきた華さんの声に、ギクッと体が強張る。
と、それを聞いた社長がクスクスと楽しげに笑った。
「ああ、一緒に飯食った後に、一泊してきた。なっ、芽衣!」
「はい⁉」

