俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う

(この前社長がラウンジで言ってた方……! 確か昔うちの会社にいたっていう)

「宜しくお願いします。結城です」

挨拶を済ませると、華さんはなぜか私を興味深そうにジーッと見つめ始めた。

(え……?)

「快も一丁前に社長秘書なんて雇っちゃって生意気ねー。芽衣ちゃん、こいつに密室で変なことされてないよね!?」

「は、はい……」

「お前、相変わらずホント失礼だよな。こっちが黙ってたら言いたい放題」

(あれ。社長……?)

砕けた口調で痴話げんかを始めた2人を呆然と見つめていると、ルイさんがクスクスと笑い始めた。

「二人は昔からこんな感じなんだよ。びっくりしたでしょ?
ラウンジでちょっと聞いたと思うけど、華はCLBKの立ち上げメンバー、それに僕たちと大学が一緒なんだ。要約すると古くからの戦友で、親友ってところかな」

「なるほど……そうだったんですね」

(ボスにここまで言える女性は、絶対華さんしかいないと思う)

社長はいつも余裕な顔で、仕事は完全ワンマン……センスもいいので、誰も彼の意見に逆らえない。

目の前でムキになって話す社長に密かに驚いていると、ふいに華さんが私を見た。

「それはそうと、結城って苗字かっこいいよね。社長秘書さんがライバル会社の『結城家具』とおんなじ苗字っていうのが笑えるけど」

「えっ……ははは。でも意外と結城の人口は多いんですよね」

(するどい……)