俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う

聞き覚えのある声に勢いよく振り返ると、スーツに身を包みブロンドの髪をきっちりセットしたルイさんが立っていた。

「あっ、おはようございます、ルイさん。今日はよろしくお願いします」
「よろしく」

今日は前髪を掻き上げているので、前回会った時よりも掘り深い顔が鮮明になり、美しさよりも男らしさを感じる。

「ついさっき快と到着したんだ。彼、人を迎えに行くために一瞬外に出ててね。
すぐ戻ってくると思うよ」

「そうでしたか。かしこまりました」

(って、ん? ちょっと待って。ルイさん普通に日本語しゃべってる?)

当たり前に会話をしていることに、ようやく違和感を感じる。
ラウンジで彼は、英語はおろか母国語のフランス語しか頑なに話さなかったイメージがあったのだけど。

(ど、どういうこと?)

「ルイさん。以前お会いした時、日本語は……」

「ああ、実は伝えてなかったんだけど、僕の母は日本人なんだ。だから今回は第二の故郷にやって来たって感じだね」

「え、そうなんですか……⁉」