「ねぇねぇ、芽衣ちゃん。今日の私どうかなぁ? ルイ様に少しでも覚えてもらえるかなー?」
今日の記者会見場である外資系ホテルにやって来た私たちは、
ピカピカに磨き上げられた大理石のエントランスを並んで歩いていた。
「今日はホント一段と可愛いよ、美晴。ルイ様も連絡先聞いてきちゃうかも」
「えへへ、やっぱり? 韓国のパックの力めちゃくちゃ発揮されちゃったかなー」
そう言った美晴は肩で切り揃えられた艶のあるボブを綺麗に整え、パリッとしたYシャツとタイトなスカートでバリキャリを体現している。
(いや冗談抜きでさすが美晴だな……みんな振り返って見てるよ)
彼女は出会った時からとても美人で、恋多き人だ。
涼し気な切れ長の瞳に小さな唇が特徴的で、上品ながらも妖艶さを感じさせる。
現に今、すれ違う人々はみな美晴に目を奪われていた。
つい感心していると、美晴はふいに難しい顔で私を見た。
「それにしても、もーちょっと芽衣も派手な服装してもいいと思うけど? CLBKって女性向けのインテリアブランドで華やかなイメージだし、他会社の社長秘書とは訳が違うんじゃないのぉ?」
「それはそうなんだけど、色々面倒くさいんだって」
(社長にまた変にジロジロ見られたらイヤなんだもん……!)
言い訳をしていると、ふいにフワリとシプレの香りが鼻をかすめた。
(ん?)
「芽衣、おはようございます」

