火が出るほど顔が熱くなりその場で押し黙っていると、彼はジャケットのポッケから何やら取り出した。
(え……)
「すまない。面接の前に廊下に落ちていたハンカチを拾ってたんだ。今から事務室に持っていこうとしていたんだが、これ、君のだよな」
藤堂快の手に握られているのは、白レースで縁取られたアイリス色のタオルハンカチ。
ワンポイントで昔、自分が縫ったインコの刺繡があるので、紛れもなく私の物だ。
「それ! そのハンカチを探していました……! よかったぁ……」
彼からハンカチを受け取るなり安堵と喜びで、涙が溢れてきてしまう。
「あ、ありがとうございます。社長……」
ここまで感情がこみ上げてくることもなかなかないので、自分でもこんなに大切にしていたんだ……とびっくりする。
と、そんな私を見て黙っていた藤堂快だったけれど、ふいに大きな手をポンッと私の頭に置いてきた。
「え……」
「五年前に出した商品をそんなに大切に使ってくれてありがとう。
キミを不合格にしようかと思っていたが、気が変わった。来年からよろしくな」
突然の合格宣言に目を丸くする。
驚きすぎて涙を止めた私を見て、藤堂快はフッと笑みを深めた。
「見かけによらず根性がある。それに異常なまでうちを愛してくれているのが伝わってきた。
君の活躍を楽しみにしてるよ」
「……っ、藤堂社長、ありがとうございます」
彼はそのまま何も言わず私に背を向け、颯爽とその場を離れていく。
彼が残したムスクの香水の香りが、ドキドキと心臓の音を騒ぎ立たせた。
(け、けなされたんだか褒められたんだか分からないけど、とにかくよかった……! 私、ここで働けるんだ)
(え……)
「すまない。面接の前に廊下に落ちていたハンカチを拾ってたんだ。今から事務室に持っていこうとしていたんだが、これ、君のだよな」
藤堂快の手に握られているのは、白レースで縁取られたアイリス色のタオルハンカチ。
ワンポイントで昔、自分が縫ったインコの刺繡があるので、紛れもなく私の物だ。
「それ! そのハンカチを探していました……! よかったぁ……」
彼からハンカチを受け取るなり安堵と喜びで、涙が溢れてきてしまう。
「あ、ありがとうございます。社長……」
ここまで感情がこみ上げてくることもなかなかないので、自分でもこんなに大切にしていたんだ……とびっくりする。
と、そんな私を見て黙っていた藤堂快だったけれど、ふいに大きな手をポンッと私の頭に置いてきた。
「え……」
「五年前に出した商品をそんなに大切に使ってくれてありがとう。
キミを不合格にしようかと思っていたが、気が変わった。来年からよろしくな」
突然の合格宣言に目を丸くする。
驚きすぎて涙を止めた私を見て、藤堂快はフッと笑みを深めた。
「見かけによらず根性がある。それに異常なまでうちを愛してくれているのが伝わってきた。
君の活躍を楽しみにしてるよ」
「……っ、藤堂社長、ありがとうございます」
彼はそのまま何も言わず私に背を向け、颯爽とその場を離れていく。
彼が残したムスクの香水の香りが、ドキドキと心臓の音を騒ぎ立たせた。
(け、けなされたんだか褒められたんだか分からないけど、とにかくよかった……! 私、ここで働けるんだ)

