俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


「……っ」

親に反発し、授業をサボりにサボっていた、高校二年生の春――。

高校の門の前で、藤堂快は私と美晴にそう言い放った。
遠くなっていく彼の背中を見つめながら、速くなった鼓動が一向に収まらなかったのを覚えている。

彼の全身から漲る自信、発言の節々から感じる確固たる意志の強さ……。
そして、人を惹きつける何か(・・)を肌で感じ取ったからかもしれない。

「もぉ~あの人かっこよすぎるよ! なんとしてでも、連絡先聞いとくべきだったー‼」

校舎に向かう道すがら、嘆く美晴に大きなため息を吐く。

「やめなよ、さっきむかつくこと言われたの覚えてないの?」
「えー、なんか言われたっけ?」

素直な美晴とは違い、天邪鬼な私は、あまりにも自信がある藤堂快の姿をすぐには受け入れられなかった。

(あんな自信がある大人……私とは住む世界が違うって感じ)

そんなふうに思っていたけれど。

「本校の卒業生で昨年、株式会社CLBKを立ち上げた、藤堂快さんの講演を始めます。どうぞご登壇ください」

「はい」

(えっ……)

「ちょっと芽衣、さっきの人じゃん! うちらの先輩だったんだ!」

渋々参加した学校の職業講演会で、再び藤堂快は私たちの前に現れた。