引きずられないように必死で足に力を入れていると、お母さんが辛そうな顔で私の肩に手を置く。
「芽衣、嫌だと思うけど一度あなたの口からちゃんと説明しなさい。このまま逃げてても、一生おじいちゃんが納得するわけない。そうでしょう?」
「!」
(確かに、お母さんの言う通り……この会社に入って、まともにおじいちゃんと会話してない……)
迷いが生じ、チラリと後ろを伺うと快は厳しい顔で私を見つめた。
「芽衣。俺は芽衣のことを絶対に諦めない。だから、一度ご家族と話し合ってきてくれ」
「快……」
「仕事のことは心配しなくていいから」
私を見つめる漆黒の瞳が切なげに揺らいでいて、ズキッと胸が痛む。
(離れたくないけど、快を信じよう……)
私は悲しい気持ちを抑え、小さく頷く。
ふっと力を抜くと、あっという間におじいちゃんに引っ張られて、快の姿がどんどん小さくなっていった。
(おじいちゃんを説得して、必ず快の元に戻ってみせる……)

