「え……」
彼女の言葉に呆気にとられていると、他の二人は「え~!」と驚いたように声を上げる。
「そうなの⁉ 結城さんの彼氏どんな人なのか気になる!」
「教えて結城さん~! 写真とかあるの⁉」
「えっ、と……その……」
満面の笑顔で前のめりで聞かれて、グッと言葉に詰まる。
(見たって……? どういうことなの?)
チラッと斜め向かいに視線を送ると、ショートカットの女性は私に微笑していた。
「私、パリの公園でキスしてるの見ちゃったんだ! ほら」
彼女はそう言いながらスマホをテーブルの真ん中に置く。
ディスプレイに映し出されているのは、紛れもなく私と快……思いが伝わったあの時のだった。
(まさか、見られてたなんて……)
サーッと血の気が引き、それを凝視してしまう。
と、目の前に座っていた一人がバンッとテーブルを叩いた。
「⁉」
「なんで社長と地味なあんたが付き合ってんのよ? 信じらんない」
「……っ!」
顔を上げると、他の2人も先ほどとは打って変わり冷めた目で私を見ていた。
「華さんなら納得がいったけど、あんたなんて月と鼈じゃないのよ。絶対に認めない」
「私も」
(あ……初めからこれを言うつもりで、私に近づいたんだ……)
パニックながらも冷静に判断した、その時……。
「めーーーーーーい! めーーーーーーーい‼」
「⁉」
突然野太い声が店内に響き渡る。
とっさに声の方を振り返ると、カフェの入り口を出てすぐのフロントからのようだった。
「結城芽衣はどこにいる⁉ 今すぐここに連れて来てくれーーーーーー‼」
(こ、この声、おじいちゃん⁉)

