理解が追いつかずにいると、快は私を見つめながら真剣な声色で続けた。
「パリから戻って二週間余り、芽衣の実家の業績を徹底的に調べさせてもらった。それを踏まえ世間の声を加味したんだが……一刻も早く上場を停止した方がいい。そしてうちの子会社に入ってもらい、立て直しを図るべきだと考えた」
「え……結城家具が、CLBKの子会社に……?」
衝撃が大きすぎて、ただただ快を見つめることしかできない。
「もちろん両社の社員からの反発はかなりのものだと思う。俺たちが付き合ってるとなればなおさらだ……だから芽衣には、うちの秘書を辞めて、本気で結城家具の立て直しをしてもらいたい」
「……っ」
なんとも言えない気分だった。
CLBKを辞める、快のもとを離れる……という悲しい気持ちと、彼がそこまでの覚悟を持って私のことを考えてくれたことが嬉しかった……そして何より、これからとんでもないことが起きてしまうという恐怖だ。
「ごめんなさい、大変なことに巻き込んでしまって……」
体を起こし、申し訳なさすぎて深々と頭を下げる。
(結城家具と違って、CLBKは安定してるのに……危険にさらすようなこと……)
すると、ふいにポンポンと頭を撫でられる。
「いや、この状況を逆手にとってお互いの会社を大きくすればいいだけだ。
だからお前は気負いせず、真剣に仕事にあたってくれればいい」
「快……」
「芽衣と結婚できるのなら、なんだってやるよ」

