絡み合った左手を顔の前に持ってこられた瞬間、私は声を上げた。
左手薬指には、ぴったりサイズのプラチナリング……小ぶりの一粒ダイヤが、日の光に照らされてキラリと光った。
「これは……その……」
「芽衣と結婚したい」
はっきりと言い切られ、息を呑む。
遅れてドッドッ……と心臓が早鐘を打って、恐る恐る後ろを振り返った。
快は動揺する私を見て、優しく笑っている。
「ほ、本気で?」
「気が早いと思われるかもしれないが本気だ。芽衣が他の男の手に渡ることが考えられない」
こちらを見る瞳が穏やかで、心から言ってくれていることが分かる。
快は上体を起こし、寝ころんでいる私を見た。
「芽衣どうだ? 俺と真剣に結婚を考えてくれるか?」
「!」
もう十分分かってる。
この人は既に私の人生の大部分を占めているのだ。
彼以上の人がこの先現れることなんて想像できない……。
「うん……すごく嬉しい」
正直に伝えてから、照れ臭くなってじんわりと頬が熱くなった。
嬉しそうに微笑んだ彼は私の頭を優しく撫でながら、こう告げた。
「じゃあ、できれば芽衣には会社を辞めてもらいたいと思ってる」
(えっ……)

