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「はぁ……あっ……」
思考も、視界に広がる薄暗い部屋も……すべて靄ががっている。
優しくベッドに寝かされて、ついばむようなキスをしてから……再び全身の愛撫が始まった。
舌で指で、自分でも未知の快楽の世界が開かれて、どれだけ声を上げたか分からない。
(快のことが、好き)
気づいたら私は寝ころび、後ろから捕らわれていた。
「正直死ぬほど嬉しい。お前の体を知ってるのが、俺だけなのが」
首筋を舐め上げられた後、顎を甘噛みされる。
すっかり彼に絆され、解かれた私の体はどこもかしこも感じるようになって、ただ息が触れるだけでも涙が滲んだ。
「快のことしか、好きになれなかった……から」
無意識に言葉がこぼれる。
他の人を心から好きになれなかったのは、ずっとこの人が私の中に存在したからだ。
そんな切実な言葉にも、彼は私の耳元で小さく笑った。
「ああ……なんて可愛いんだろうな。可愛すぎて絶対に誰にも渡さない。お前以上の女はいないよ」
そう言って覆い被さってきた快は、見たこともないくらい余裕がなく、苦しそうだ。
「ごめんな、少しだけ耐えてくれ」
「あっ、……‼」
骨張った指が私の指に絡まり、一気に中に入ってくる。
美晴から聞いていた通り、頭が真っ白になるくらい、鋭い痛みだった。
息をつめた彼に労わるように髪を撫でられて、不思議と痛みが和らいでいく。
「芽衣、ずっと好きでいてくれてありがとな……愛してる」
ずくっと深いところで、彼と溶け合った気がした。
今まで大変だったことが、全て跡形もなく消え去っていくようで……。
「私も、好きになってくれてありがとう……快」
幸せな気持ちが胸に広がり、自然と笑みがこぼれる。
視線を絡ませた後、快は私の涙をそっと唇ですくってくれた。
(好きな人と体を重ねることが、こんなに幸せだなんて……知らなかった)
ゆっくりと始まった律動が、私の全神経を蜜のように溶かし甘く身体を侵食していったーー。

