俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


半泣きで伝えると、彼はピタリと動きを止め、訝し気に眉をひそめた。

「初めて……って、ん? どういうことだ」
「だから、したことないんです……! 誰とも……」

シーンと部屋が静まり返る。
今まで漂っていた甘い雰囲気はどこへやら……代わりに気まずい雰囲気が漂ってくる。

(二十七で処女って、やっぱり重い……のかな)

「あの……すみません……だからもう少し、ペースを緩めてほしくて……」

私の乞う声が部屋にポツリと響く。
なんだか寂しい気持ちになり黙りこくっていると……彼はゆっくりと立ち上がり、ハァーッと深いため息をつきながら額を抑えた。

「ウソだろ、てっきり他の男と済ませているものだと」
「…………」

元彼の存在を知っているのだからそう思うのが普通だろう。
でも……と、ぐすっと眦の涙をぬぐっていると、私を見た快は困ったように笑っていた。

「焦ってごめんな。やり直させてくれ」

(え……?)