恥ずかしくなって語尾が小さくなる。
するとそんな私を見て、彼は目元を緩めながらくくっと笑った。
「お前は本当に面白いな。どんな根性だよ、ここまでくるやつなんて滅多にいないぞ」
ふいに感じる愛おしげな視線に、トクンと胸が高鳴る。
受け入れてくれたことに安堵している間に、彼の手が伸びてきてテーブルに乗っていた私の手をキュッと握った。
「!」
「ブランドが好きという以前に、俺が好きだったということで間違いないか、芽衣」
「え……」
そう訊ねた声は自信に満ちていて、穏やかだ。
言葉が詰まる。
深い瞳を前にして冗談で違うとは言える気がしない。
「そう、です……多分あの時から社長のことが……」
(うう、顔から絶対に湯気が出てる……)
なんとか言葉を発すると、いっそう強く手を握られ、鼓動が跳ねる。
視線が熱く絡み、つかの間の静寂を楽しんでいると……ウエイトレスさんがワインとアミューズを運んできてくれた。
スルリと絡んでいた指が解かれ、彼が遠くなる。
目の前に豪華な食事が運ばれているのに、私を見つめる熱い瞳に釘付けになってしまう。
再び二人きりになると、社長はうっすら微笑んだ。
「もっと芽衣が知りたい。遠慮はいらない。快でいい」
「……っ、ありがとうございます。じゃあ、快と呼ばせてもらいますね……」
キスもしてるし色々触れられたりしたけど、今、急に彼女になったという実感が湧いた。
これからは憧れの人、絶対的な上司じゃない。対等に付き合っていくパートナーなのだと……。
(少しずつ慣れていこう、それでもっと社長に私を知ってもらいたい)

