俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


『えっ』

私がディスクワークをしていると、社長は突然現れてハグを求めてくる。
自分の気が済むまで熱烈に抱きしめた後、すーーーっといなくなり、何事もなく仕事に戻っていく。

(繁忙期だし、ホテルの施工ももうすぐだし疲れてるんだろうな)

……と思っていたけれど、全然それだけじゃ済まなかった。

『もっと口開けよ、芽衣』
『んっ……んん……』
エレベーターで突然濃厚なキスが降ってきて、唇を貪られることもあった。

一緒にリムジンに乗っている時は、『好き』『可愛い』『癒される』と耳元で囁かれ、ずっと手を握られる。
そう……私たちは結局、人目を盗んではいちゃついていたのだった。

(はぁー……前は私をからかって楽しんでる感じだったけど、彼女となった途端甘すぎて……ギャップが激しくて身も心もついていくのが必死だよ)

嬉しい悩みに息を吐いていると、美晴はニヤリと笑みを浮かべた。

「で、処女喪失はイブで確定なんだよね? ちゃーんと可愛い下着で臨まなきゃダメよ!」
「ぶっ!」

途端に鼓動が大騒ぎする。
美晴の言う通り、きっとそうなのだ。

(今であんなに我慢してる感じなのに、当日どうなっちゃうんだろう……しかもこの歳で処女なんて言いずらいよ)