(まさかこんなところで?)
鼓動の音が速くなる。
後ろを振り返ると、真っ白なファーをまとい、真っ赤なドレスを着て彼女は立っていた。
「偶然ですね、華さん」
なんとか笑顔を作る。
突然目の前に現れたこともそうだけど、自分と似たドレスを着ている状況がとても怖く感じてしまう。
「本当ね。芽衣ちゃんも今からクルージングに乗るのよね……? すごく気合入ってるし」
「……っ」
彼女は珍しそうな顔で私のつま先から頭の上までなぞるように視線を送ってくる。
女優並みに美しい彼女を前にして、途端に恥ずかしさが込み上げる。
何も言葉を返せずにいると、クスリと小さく笑われた。
「もしかして今から快とデートのかしら? あなたが快に傷つけられる前に忠告しといてあげるわ」
「忠告……?」
不穏な言葉に私が呟くと、彼女は疲れた様子で頭に手を添えた。
「快の女癖のひどさよ。今日だって昼間、他の社員とデートしていたしね……」
(えっ……)

