俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う

「~~っ」

嬉しいやら恥ずかしいやらで私は堪らずに視線を逸らした。
彼はそんな私の姿を見て楽しかったらしく、クスクス笑っている。

(はぁ……いい意味でも悪い意味でも、肩の力が抜けたかも。今なら社長と普通に話せる気がする)

私は運ばれてきたサンドイッチを口に含みながら、コーヒーを飲み始めた彼に視線を向けた。

「ずっと社長に聞いてみたかったことがあるんです……なぜ経営学を学んでいたのに、あえてインテリアの世界に行こうと思ったんですか」

そう……今まで藤堂快はそれに関して取材で聞かれたとしても、答えが二転三転し、あやふやな回答を繰り返している印象があった。

「大学卒業と同時にすぐ会社を立ち上げていたし、何かきっかけとかあるのかなって思っていたのですが……」

私がそう質問すると、彼は考えるように空を仰いだ後、はっきりとこう告げた。

「ブランドのファンであるお前に言うのは酷かもしれないが、成功できるなら本当になんでもよかった。俺を育てた祖父を見返すために」

(え……)