俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


社長はそう言うと、店主の方に交渉して早々とそれを購入した。
こんなにあっけなく意見を受け入れてくれるとは思っておらず、正直すごく拍子抜けしてしまう。

(もっと文句を言われるものかと思っていたけど、素直に意見を聞いてくれるんだな)

嬉しい気持ちのまま次々と店を巡り、時折ホテルの完成図と照らし合わせながら、社長とお互いの意見を交わしていく。
その時間は私が秘書としてではなく『Berry.By.KAI』のスタッフの一員として加わっている実感がして、内心とても幸せだった。

「もうこれくらいで十分だろ」
「ですね……!」

気づいたら、開始して三時間が経っていた。
お互いの両肩には大きなバックが掛かっており、その中は梱包された雑貨がたくさん入っている。
それらをルイさんの会社に郵送しなければならないため、郵便局に向かうことにした。

(楽しかったな……)

骨董市を抜けたその時……ふと社長が足を止めた。

「芽衣。少し寄ってもいいか?」