俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う


こうして夢見心地のまま夜が明け、朝イチから大忙しのパリ視察が再開した。

(うう。一日休憩挟むと、キツイな……)

体に鞭を打ち、CLBK一行らと提携先企業への挨拶巡りについていく。
オテル・ド・シェヴァリエからは、日本人の遠藤さんが業界で顔が広く日本語も話せるため、同行者として選ばれていた。

『みなさん、遠いところからよく来てくれました! ゆっくりしていってください!』

最後のあいさつ回りでやってきた照明器具メーカーの社長さんはかなり年配の方で、とても気さくな良い方だ。
長年、オテル・ド・シェヴァリエと取引きしていることもあり、ルイさん、遠藤さん、華さんとすでに打ち解けていた。

社長さんは私たちをオシャレな会議室に案内してくれて、ひとりひとりに紅茶を出してくれる。

『快さんが作った商品を是非フランスにも発売してほしい。家内が欲しいと言って騒いでいたんだ』
『光栄です。また日本から新作を贈らせて頂きます』

約三十分の雑談の後、十分場が和んだところで、時間を確認した遠藤さんが社長さんに笑顔で話しかけた。

『お忙しいところありがとうございました、社長』

『ああ、こちらこそ。あと一つ……ショータと華に言い忘れていたけど、末永くお幸せにね。君たちが今でも仲が良さそうで嬉しかったよ!』

「え?」

(ど、どういうこと……?)