俺様社長は奥手な秘書の初めてを奪う



その小さなメモは、紛れもなく私がしたためたものだ。

「①エッフェル塔に登る②マカロンを買う③骨董市に行く④イケメンをカフェで眺め……」

「きゃーっ! やめてください‼」

私は読み上げる社長を阻止すべく、思いきりメモを奪い取る。

(さ、最悪、無くしたと思ったらなんでこの男が……)

「資料に挟まってた。この二十項目をフリータイムでこなすのは無理だと思うぞ」
「はい……存じ上げております」

私は顔から湯気を吹き出しながら、うつむいて黙り込んだ。

(つっ……取り乱してしまった。でも、あの観光客丸出しメモを全部見られたと思うと、居ても立っても居られない……!)

そんな私を見て社長はクスクス笑っている。

「時間は有効に使わないとな。今が一番パリが輝く時期だし、せっかくだから少し歩くか」

「え……歩くって?」