慌ててごまかすべく口をもごもごと動かす。
「でも……弓木くんへの、ご褒美なのに、これじゃあご褒美になってない、けど」
「押し倒される覚悟があるなら、滅茶苦茶にキスするけど」
「……!? やっ、えっ、ご、ご勘弁を……っ」
そんな覚悟、決められない。
ほんとうはあのままキスしちゃわなくてよかったって、ほっとしていたんだ。
だって、そういうのって、やっぱり “特別” に憧れている。
大切にしたい。
「嘘、しないから。それに、ご褒美ならもうもらってる」
「ええっ、わたし、何も渡してないけど……」
「この距離で中瀬のさくらんぼみたいな顔見れたから、それで十分」
さくらんぼ、みたいな。
指摘されて自分の顔が真っ赤に熟れていたことを思い出す。
は、恥ずかしい……!
慌てて手のひらで覆い隠そうとしたけれど、その手を弓木くんに取り押さえられてしまった。



