「さすがにそこまで愚かじゃないよ、配慮くらいはできるよ!」
露出狂ではないのである、断じて。
むんっとこぶしを握りしめて主張すれば、弓木くんはなぜか手の甲で目元を覆ってしまった。
「……悪い、今のは俺が」
あ゛ー……と呻いた弓木くん、その耳朶が赤い。
「なにがっ? 見せようかっ?スカート履いてますって」
「見せなくていい」
「弓木くん理解不能だよ……」
「理解しなくていーから」
「……?」
「俺の煩悩が、先走っただけ」
はあ、と弓木くんが息を吐き出す。
そして、改めてわたしをちらりと見た弓木くんは。
「中瀬、ちっちゃ」



