弓木くんはどうやらわたしが好きらしい


𓐍
𓏸



「お洋服、ありがとう」



お風呂から上がると、まだ乾燥機が回っていて。

弓木くんがパーカーを貸してくれることになった。


着替えを終えて、ソファに座ってくつろいでいた弓木くんに声をかけると、弓木くんはわたしを見るなりピタリと固まる。


え、わたし、何かしました……?




「中瀬。……下は?」

「下?」

「パーカーの、下」




弓木くんが指さしたのは、パーカーの裾。

だぼっと持て余した裾からのぞくのは、わたしの膝、だけど。




「あっ、これちゃんと履いてるからね!? スカート! パーカーで隠れちゃってて見えないだけでっ」




たしかに、一見パーカーしか着ていないように見えるけれど。

あまりにパーカーが大きいせいで、スカート丸ごとすっぽり隠れてしまっただけだ。