「ん、っ」



ちゅうっ、と甘い水音がして、チクリとした痛みが走る。

千隼くんがゆっくり唇を離すと、唾液が銀色の糸を引いて、ぷつっと切れた。



「……は、綺麗についた」



満足気な千隼くん。



「ついた、って何が?」

「俺の、って印だからソレ隠すなよ。ていうかむしろ見せつけといて」

「は、はい……?」




訳がわからないまま、こくこく頷くと千隼くんが「目ェ離せねえな」とかなんとか呟いていて、わたしはひたすら首を傾げるばかりだった。