千隼くんはわたしをじとっと見つめて。
「今日、なんでそんなかわいいことなってんの」
「へ……っ?」
「衣装がメイド服ってだけで、けっこー危ういのに、なんか髪とかメイクとか……」
「に、似合ってない?」
「なんでそんなマイナス思考なわけ。似合いすぎてて困るっていう話をしてんだよこっちは」
ちょっとキレ気味に言われる。
え、待って、今。
戸惑うわたしの後ろ首に手を回して、千隼くんがぐっと引き寄せる。
ふわっと千隼くんの香りがして、くらっとした。この匂いに、わたし、弱い。
「このか。痕つけていい?」
「へ、あと……? って?」
「あー……知らないのか」
千隼くんが、すりすりと親指でわたしの首筋をなでる。
それがくすぐったくてきゅっと目を閉じると、次の瞬間、その場所に千隼くんの唇が吸い付いた。



