弓木くんはどうやらわたしが好きらしい



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「じゃあね、千隼くん。また明日!」




放課後、千隼くんと一緒に帰るのはもう日常の一部になっていた。



向かう方向は逆のはずなのに、駅の改札まで千隼くんが来てくれるのもいつものこと。

夕焼けを背にひらひらと手を振って、改札へと向かおうとすると。




「違う。今日は、こっち」

「へっ?」




手をきゅっと引かれて、連れて行かれた先は駅のすぐとなりの小さな公園だった。


噴水の近くの東屋に千隼くんの足はまっすぐ向かう。


木でできたテーブルと丸太でできた椅子。
千隼くんは、わたしに座るようにうながした。