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────キーンコーンカーンコーン


チャイムの音。
生物の授業が終わると、お昼休み。


今日は教室でのんびりお弁当を……と休み時間のプランを考えていると、スマホの画面が光っていることに気づいた。



「げげ……」




表示されている名前は逢見くん。

着信音はオフにしているけれど、気づいてしまった以上、無視することはできなくて。




「もしもし……」

『あ、出た。やっほーこのちゃん、俺、逢見だけど』

「知ってる!」

『ね、これから一緒にお昼食べない?』

「はい?」

『教室迎えに行くし』

「いやいやいやいや結構です! 丁重にお断りします!」

『なんで? 昼休み用事でもあるのー?』




ない。

お弁当を味わうだけだ。