弓木くんはどうやらわたしが好きらしい



な、何考えてるの。

離してくれる気はさらさらないようで、顔を千隼くんのシャツにうずめたまま抵抗をあきらめる。

すると千隼くんの大きな手のひらがわたしの手をとって、きゅっと優しい力加減で握った。



安心させるみたいに、なだめるみたいに。



ほっとして手の震えがとまって────……そこで、はじめて、震えていたことに気づいた。




「この子のことを巻き込んだのは許さない」




これじゃあ、見えない。

千隼くんがどんな顔してそれを言ってるのか。




「ごめんなさ────……」

「それ、誰に謝ってんの」

「……っ、ぁ」

「別に謝罪を求めてるわけじゃないし、この話は終わり」



あからさまにほっと緊張の糸がゆるむ。

千隼くんはそこに容赦なくトドメを刺した。




「ただ、二度はないから。今度この子に手ェ出したら────」

「わ、わかった……! もうしませんから……っ」