弓木くんはどうやらわたしが好きらしい



ヘアアレンジから、きらきらアイシャドウにつやつやリップ、ぴかぴかネイル、わたしよりずっと女の子上級者。


────たしかに、先輩たちの方が、千隼くんにふさわしいのかもしれない。




「別れてよっ」



ハーフアップ先輩がわたしの肩を掴んで揺さぶる。




「弓木くんと別れなさいよ……!」




玉ねぎリボン先輩の悲痛な声に、きゅっと唇を噛んだ。


押し黙ると、先輩たちはヒートアップする。

口々に言いたい放題になっていって、それはわたしが予想しなかった方向へと転がっていった。




「あんたが弓木くんを穢したの!」

「……え」

「弓木くんは、誰も寄せつけない神聖な存在であるべきなのに」



ボブカチューシャ先輩が、「はー……」と忌々しそうにため息をついた。