あー……もっと、触りたい。


俺よりひと回り、いやふた周りは小さい中瀬の体のすみずみまでくまなく触れたら、中瀬はどんな顔して、どんな声を上げるのか、知りたい。


この距離にいられるだけで満足だっていう自分と、こんなんじゃ全然足りないって欲張りな自分の間でぐらぐら揺れる。


やじろべえみたいに、ぐらぐら、ゆらゆら。




「は…………やば」




心臓いてーな。

ここまでくると、ドキドキ通り越して、病院に行った方がいいんじゃないかと思ったりする。


恋わずらいなんてばかみたいだ。

だけど、中瀬が……俺を、ばかにさせる。




『……千隼くん』



中瀬がおずおず呼んだ俺の名前を思い出して、また胸が甘く疼いた。……しんど。


まじで、理性ぶっ飛ぶかと思った。


同じベッドの上で(誘導したのは俺だけど)、向かい合わせ簡単に触れてしまう近距離で、あんなかわいー顔してかわいー声で呼ばれて。


言っとくけど、俺じゃなきゃ、絶対食われてる。