「私、優が友達になってくれたから毎日がこんなにも楽しく過ごせてるの。だからあんな風に心ないことを言われるのは、自分のことのように辛いし悲しいよ!世界では認められているのに、何でこの国では変な目でまだ見られるのかな?思い出しただけで腹立つ!」

揚羽がそう言うと、その手が優しく包まれる。優は目に涙を浮かべて笑っていた。

「ありがとう。私、本当に幸せだよ。こういうのって親は理解してくれないケースが多いけど、私の親は好きに生きていいって言ってくれて、こんな私と仲良くしてくれる人がたくさんいて、本当に幸せ。ありがとう」

人には、選ぶ権利がある。自分の人生の生き方、夢、尊敬する人、趣味、色んな選択がある。その中の一つに性別も含まれている。それを揚羽と優は誰よりも知っているのだ。

二人の絆は、さらに深くなった。