ラーメン屋
店内は若者で賑わい、
湯気が立ち込める厨房は手拭いを首に巻き汗を拭いながら、せっせとラーメンを作っている店員さんが三人。
かこかこと安っぽい緑の丸椅子を引きずり食券を渡し、目の前に置かれた水を飲む。
薄汚れた壁にはビールを片手に水着姿で微笑むグラビア娘。
床は油っぽく、少し滑る。
一人で食べに来ている女は私だけで、ちらちら男性がこちらを見るのがわかる。
私は気にせず作りたてのラーメンを啜る。
とんこつ味。
こっくりとした濃厚な脂と魚の出汁が食欲をそそる。
スープに絡むもっちりした太麺。
味付けたまごととろりととけるチャーシュー。
一通り味わい、
大将に微笑む。

ごちそうさま。

最後に食べたいと思った味。
ありやとございやしたぁ〜!
威勢のいい声に押され、店を出る。

店内とはうってかわって涼しい夜風、空を見上げる。
しかしそこには星の代わりに何機もの浮遊物が飛び交い、空を科学的に色を染めている。

戦争だ。

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