「これから話すことは全て真実で、決してあなたを騙そうとかバカにしているといった事ではありません。
ヒロシくんは、二重人格者なんです。」
「え?」
ヒカルさんは想像していなかった言葉に驚いたのか、自分の聞き間違いを疑ったのかは分からなかったが、『この人は何を言っているんだ?』という表情だった。
「ヒロシくんは 二重人格者なんです。」
「二重人格者って、あの二重人格者ですか?」
「はい、あなたが想像している通りの二重人格者です。」
「ヒロシさん、もしかして浮気しているのを誤魔化そうとして、わざわざ医者の知り合いの人まで呼んでるとか?」
ヒカルさんが『バカにするな』といった怒りをにじませた目で私を睨みつけてきた。
「そんな事するわけない。」
俺は必死に否定した。
「でも、浮気らしき現場を目撃した後に、いきなり『あなたの彼氏は二重人格者なんです。』って言われて、納得する人がいると思う?」
ヒカルさんの指摘はごもっともであり、この反論は俺も先生と想定通りだった。
「落ち着いてください。確かに、あなたの言う通り浮気を誤魔化すために壮大な嘘を用意して、はぐらかそうとする人はいるかもしれません。
でも、ヒロシくんはそんな事をする人ではないと私は確信しています。
そもそも彼は、私と出会ってから一度も女性とお付き合いしたこともありません。そんな彼が、初めて出来た恋人を傷つけるようなことをするとも思えません。
また、あなたがヒロシくんらしき人を目撃した日は、人格はヒロシくんではなく、もう一人の人格であるサトシくんという男性が、この身体を支配している日になります。このサイクルは、数年間一度も乱れたことはありません。
その事をすぐに証明することは難しいですが、彼ら二人が毎日つけている日記帳がここにあります。」
先生の言葉を合図に俺は家から取って来た日記帳をカバンから取り出した。
「その日の日記がこちらになります。ぜひ、読んでみてください。」
俺はヒカルさんに日記帳を手渡した。
ヒカルさんは渋々、日記帳を受け取るとページをパラパラめくり、浮気していると思われた日の日記を見つけた。そこには、サトシという人物からヒロシさんへ宛てたと思われるメッセージが記載されていた。
「でも、こんな日記は用意しようと思えば、いくらでも用意できますよね。これだけで二重人格であることを信じて欲しいと言われても、私には無理です。」
そう言って日記帳をヒロシに突き返してきた。
「その通りだと思います。あくまで、その日記帳は一つの参考資料だと思ってください。実際に会って話してもらわない限り、信じることは出来ないと分かっています。でも、今日はヒロシくんの日なので、サトシくんと話してもらうには明日にならないと無理なんです。
また、もし明日会ってもらったとしても、『ヒロシくんが演技をしているんじゃないか?』という疑惑が生じると思います。これについても、言葉でしか説明が出来ないのが今の医学の現状です。」
そう言うと先生はヒロシに水を一杯持って来て欲しいとお願いをし、ヒロシのことを席から遠ざけた。
「もし、
『ヒロシくんは本当に二重人格かもしれない。ヒロシくんのことを信じたい。』
とあなたが思ってくれているなら、明日、私の研究室に来てください。
朝でも昼でも夕方でも、いつでも構いません。
明日は、サトシくんの日なので、彼の一挙手一投足を見て欲しいんです。
ヒロシくんにもサトシくんにも、あなたが来ることは内緒にします。私からあなたが来るかもしれないことは伝えないので、演技などではなく自然体の彼が見られると思います。
その姿を見てもらったら、ヒロシくんとサトシくんは全く違ったタイプの人間なので、演技ではなく、二重人格者であることを信じてもらえると思います。」
先生は一枚の名刺を取り出し、ヒカルさんに手渡した。
ヒロシくんは、二重人格者なんです。」
「え?」
ヒカルさんは想像していなかった言葉に驚いたのか、自分の聞き間違いを疑ったのかは分からなかったが、『この人は何を言っているんだ?』という表情だった。
「ヒロシくんは 二重人格者なんです。」
「二重人格者って、あの二重人格者ですか?」
「はい、あなたが想像している通りの二重人格者です。」
「ヒロシさん、もしかして浮気しているのを誤魔化そうとして、わざわざ医者の知り合いの人まで呼んでるとか?」
ヒカルさんが『バカにするな』といった怒りをにじませた目で私を睨みつけてきた。
「そんな事するわけない。」
俺は必死に否定した。
「でも、浮気らしき現場を目撃した後に、いきなり『あなたの彼氏は二重人格者なんです。』って言われて、納得する人がいると思う?」
ヒカルさんの指摘はごもっともであり、この反論は俺も先生と想定通りだった。
「落ち着いてください。確かに、あなたの言う通り浮気を誤魔化すために壮大な嘘を用意して、はぐらかそうとする人はいるかもしれません。
でも、ヒロシくんはそんな事をする人ではないと私は確信しています。
そもそも彼は、私と出会ってから一度も女性とお付き合いしたこともありません。そんな彼が、初めて出来た恋人を傷つけるようなことをするとも思えません。
また、あなたがヒロシくんらしき人を目撃した日は、人格はヒロシくんではなく、もう一人の人格であるサトシくんという男性が、この身体を支配している日になります。このサイクルは、数年間一度も乱れたことはありません。
その事をすぐに証明することは難しいですが、彼ら二人が毎日つけている日記帳がここにあります。」
先生の言葉を合図に俺は家から取って来た日記帳をカバンから取り出した。
「その日の日記がこちらになります。ぜひ、読んでみてください。」
俺はヒカルさんに日記帳を手渡した。
ヒカルさんは渋々、日記帳を受け取るとページをパラパラめくり、浮気していると思われた日の日記を見つけた。そこには、サトシという人物からヒロシさんへ宛てたと思われるメッセージが記載されていた。
「でも、こんな日記は用意しようと思えば、いくらでも用意できますよね。これだけで二重人格であることを信じて欲しいと言われても、私には無理です。」
そう言って日記帳をヒロシに突き返してきた。
「その通りだと思います。あくまで、その日記帳は一つの参考資料だと思ってください。実際に会って話してもらわない限り、信じることは出来ないと分かっています。でも、今日はヒロシくんの日なので、サトシくんと話してもらうには明日にならないと無理なんです。
また、もし明日会ってもらったとしても、『ヒロシくんが演技をしているんじゃないか?』という疑惑が生じると思います。これについても、言葉でしか説明が出来ないのが今の医学の現状です。」
そう言うと先生はヒロシに水を一杯持って来て欲しいとお願いをし、ヒロシのことを席から遠ざけた。
「もし、
『ヒロシくんは本当に二重人格かもしれない。ヒロシくんのことを信じたい。』
とあなたが思ってくれているなら、明日、私の研究室に来てください。
朝でも昼でも夕方でも、いつでも構いません。
明日は、サトシくんの日なので、彼の一挙手一投足を見て欲しいんです。
ヒロシくんにもサトシくんにも、あなたが来ることは内緒にします。私からあなたが来るかもしれないことは伝えないので、演技などではなく自然体の彼が見られると思います。
その姿を見てもらったら、ヒロシくんとサトシくんは全く違ったタイプの人間なので、演技ではなく、二重人格者であることを信じてもらえると思います。」
先生は一枚の名刺を取り出し、ヒカルさんに手渡した。


