「先生、ヒロシの恋愛成就したみたいです!」
私は午前中の検査が始まってすぐ先生へと報告した。
「そうなのか!知らなかった。ヒロシのやつ、なんで私に一本の連絡も入れないんだか。」
「昨日はだいぶ幸せだったのか、リビングに新しい絵が飾られていたんですけど、これまでのどの作品よりも色彩豊かに描かれていましたよ。気分が乗って幸せオーラ全開で描くと、あんなにも綺麗な絵が描けるのかと驚きましたよ。」
「ヒロシに明日、必ず検査のために顔を出すように伝えておいてくれるか?」
「分かりました。伝えておきます。」
「ありがとう。」
先生のリアクションは私が想像していたよりもずっと落ち着いた感じだった。お店選びも手伝ってあげていたので、てっきり応援しているものだと思っていたが、もしかしたら私の勘違いだったのかもしれない。
検査が終了したあと、私は先生からお昼ご飯に誘われた。
「なぁ、サトシ。」
「はい?」
「もしもヒロシが今の彼女と上手く交際を続けたら、その先にあるものは何だと思う?」
「結婚ですかね?」
「そう、結婚だ。でも、結婚するとなると一番大きなハードルは何だと思う?」
「二重人格者であることですか?」
「まぁそれはそうなんだが。ただ、二重人格については付き合っている間に、いつか打ち明けて理解を得るしかないだろうな。それよりも大きなハードルは、サトシ、君の存在だ。」
「私ですか?」
「あぁ。ヒロシが彼女と結婚するために婚姻届けを出す。法律上はヒロシもサトシも一人の人間であり、住民票も一つしか持っていない。人格は二人でも戸籍は一つしかないんだ。
すると、サトシがこの先、誰を好きになり、恋に落ちて、ヒロシのようにその人と付き合って結婚したいと思っても、結婚は出来ない。なぜなら、法律上、社会上はすでに結婚していて、日本は重婚を認めていないから。
すなわち、結婚ができるのはサトシかヒロシの君たちどちらしか無理なんだ。
だからもし、今の時点でサトシ、君にも好きな人や恋人がいるのであれば、そういった先々のこともヒロシとじっくり相談して決めておいた方が良い。」
「分かりました。」
先生はこのあと、一言も言葉を発することはなかった。
私は午前中の検査が始まってすぐ先生へと報告した。
「そうなのか!知らなかった。ヒロシのやつ、なんで私に一本の連絡も入れないんだか。」
「昨日はだいぶ幸せだったのか、リビングに新しい絵が飾られていたんですけど、これまでのどの作品よりも色彩豊かに描かれていましたよ。気分が乗って幸せオーラ全開で描くと、あんなにも綺麗な絵が描けるのかと驚きましたよ。」
「ヒロシに明日、必ず検査のために顔を出すように伝えておいてくれるか?」
「分かりました。伝えておきます。」
「ありがとう。」
先生のリアクションは私が想像していたよりもずっと落ち着いた感じだった。お店選びも手伝ってあげていたので、てっきり応援しているものだと思っていたが、もしかしたら私の勘違いだったのかもしれない。
検査が終了したあと、私は先生からお昼ご飯に誘われた。
「なぁ、サトシ。」
「はい?」
「もしもヒロシが今の彼女と上手く交際を続けたら、その先にあるものは何だと思う?」
「結婚ですかね?」
「そう、結婚だ。でも、結婚するとなると一番大きなハードルは何だと思う?」
「二重人格者であることですか?」
「まぁそれはそうなんだが。ただ、二重人格については付き合っている間に、いつか打ち明けて理解を得るしかないだろうな。それよりも大きなハードルは、サトシ、君の存在だ。」
「私ですか?」
「あぁ。ヒロシが彼女と結婚するために婚姻届けを出す。法律上はヒロシもサトシも一人の人間であり、住民票も一つしか持っていない。人格は二人でも戸籍は一つしかないんだ。
すると、サトシがこの先、誰を好きになり、恋に落ちて、ヒロシのようにその人と付き合って結婚したいと思っても、結婚は出来ない。なぜなら、法律上、社会上はすでに結婚していて、日本は重婚を認めていないから。
すなわち、結婚ができるのはサトシかヒロシの君たちどちらしか無理なんだ。
だからもし、今の時点でサトシ、君にも好きな人や恋人がいるのであれば、そういった先々のこともヒロシとじっくり相談して決めておいた方が良い。」
「分かりました。」
先生はこのあと、一言も言葉を発することはなかった。


