二重人格者の初恋

会計を終え、ヒカルさんを駅まで見送ったあと、俺は急いで家へと向かった。
時刻はすでに23:20を過ぎていた。
『ここから家までは約30分。間に合うかな?』

0時までには薬を飲んで就寝する。
それが俺たちが絶対に破ってはいけないルールだ。もし0時を過ぎてしまったら、この身体にどんな影響が出るか分からない。
せっかく、ヒカルさんと次のデートの約束をしたのに、二度と会えなくなってしまうなんてことがあったら後悔してもしきれない。

俺は初めてタクシーを捕まえ、家まで帰る選択をした。歩いたら30分かかる道のりも車であれば10分ちょっとで着いた。
『間に合った。』
時刻は23:38。

『あと20分も残っている。』
俺は今日の出来事を急いで日記に書き留め、歯を磨き、500mlの水をがぶ飲みしてからベッドに潜り込んだ。
そして、天井を見上げながら、目をつむると今日の楽しかった思い出やヒカルさんの可愛らしい笑顔、二軒目の誘いを断った時の悲しそうな顔、デートの約束をした時の楽しそうな顔など様々な光景が映し出されたような気がした。