『飲み過ぎ注意!門限23時!ガンバレ!』
鏡に貼られたポストイットを剥がし、くしゃくしゃに丸め、『頑張るよ!』と言いながらゴミ箱にポストイットを投げ捨てた。
何を着ようかと悩みに悩んだ末、ヒカルさんに一番最初に会った時と同じ洋服にすることにした。
待ち合わせの20時までは、まだあと12時間ある。
「あと12時間もあるのか。長いなぁ。」
とりあえず家にいても気が紛れそうになかった俺は、サトシからの伝言にあった午前中の検査とやらを受けるために研究室に向かった。
どうやら昨日の俺の身体は、ひどい二日酔いに苦しめられていたらしい。普段だったら検査なんて面倒なことは受けないが、さすがに今日ばかりはサトシへの罪悪感もあったし、時間を潰す意味もあり素直に検査を受けることにした。
「あら、ヒロシさんが朝早くから研究室に顔を出すなんて珍しい。」
エリカさんは驚きながらも、
「準備するからちょっと待っててください。」
と言い、テキパキと検査準備を始めた。
検査は俺の想像以上に何項目もあり大変だった。
「あのー今日の検査っていつもサトシが受けているのと同じですか?」
「そうですけど、なんで?」
「いや、こんな面倒な検査をサトシばっかりに押し付けていたのかと思ったら、急に申し訳なくなっちゃって。」
「相方さん想いなんですね。でも、ヒロシさんもちゃんと検査に来てもらえれば、こんな大変な検査をせずに済むんですよ。」
「そうなんですか?」
「はい、そうなんです。」
エリカさんからの忠告を受けた俺は、今度から検査には極力、協力するようにしようと思った。
『そろそろ行こうかな。』
まだ19時だったが、今日は何も手につかない状態だったこともあり、俺はかなり早めに待ち合わせ場所に行くことにした。
駅前には多くの人たちで溢れかえっていた。
家路を急いでいる人、俺と同じように誰かを待ち合わせしている人、営業を終えて会社に戻ろうとしているであろう人など様々な人たちがいた。
『まだ19:15か。』
念のため、周囲を見渡してみたけれど流石に45分前だったのでヒカルさんの姿は見つけられなかった。
それからの時間は、いつもよりも長く感じた。何もしないで時間の経過を待つだけがこんなにも大変なことを始めて知った。
どれくらいの時間が経過したのだろう。体感としては、3時間くらい待っているような気分を感じていた時、スマホが鳴った。
「もしもし?」
「もしもし、すいません。今、駅に着いたんですが、ヒロシさんどこらへんにいますか?」
「俺は今、北口の改札前にいますが、ヒカルさんはどちらにいますか?」
「北口か。じゃあ、逆ですね。私が北口向かいますので、ちょっと待っててください!」
「分かりました。」
『もう少しでヒカルさんに会える。』
そう思うと、心臓の鼓動が早くなり五月蝿いくらいに感じた。
「お待たせしました!」
ふいに後ろから声をかけられ、俺は大きく身体をビクッとさせてしまった。
「驚かせてしまってごめんなさい。」
ヒカルさんは顔の前で手を合わせて、『ごめんなさい』と可愛らしい仕草で謝っていた。
「大丈夫だよ。」
その仕草に思わず可愛いと思ってしまった俺は、若干の裏返った声を出してしまった。
「ヒロシさん、もしかして緊張してますか?」
「うん、多少。」
俺は少し強がってしまった。
「良かった。実は私もすごい緊張してたから。じゃあ、一緒だ。」
恐らく、ヒカルさんは俺よりも数段、異性とのコミュニケーションに慣れているんだろうなぁと、この数回のやりとりで俺は感じた。
「じゃあ、お店行こっか。」
「はい。」
俺たちは付かず離れずの距離を保ちながら、お店へと向かった。
鏡に貼られたポストイットを剥がし、くしゃくしゃに丸め、『頑張るよ!』と言いながらゴミ箱にポストイットを投げ捨てた。
何を着ようかと悩みに悩んだ末、ヒカルさんに一番最初に会った時と同じ洋服にすることにした。
待ち合わせの20時までは、まだあと12時間ある。
「あと12時間もあるのか。長いなぁ。」
とりあえず家にいても気が紛れそうになかった俺は、サトシからの伝言にあった午前中の検査とやらを受けるために研究室に向かった。
どうやら昨日の俺の身体は、ひどい二日酔いに苦しめられていたらしい。普段だったら検査なんて面倒なことは受けないが、さすがに今日ばかりはサトシへの罪悪感もあったし、時間を潰す意味もあり素直に検査を受けることにした。
「あら、ヒロシさんが朝早くから研究室に顔を出すなんて珍しい。」
エリカさんは驚きながらも、
「準備するからちょっと待っててください。」
と言い、テキパキと検査準備を始めた。
検査は俺の想像以上に何項目もあり大変だった。
「あのー今日の検査っていつもサトシが受けているのと同じですか?」
「そうですけど、なんで?」
「いや、こんな面倒な検査をサトシばっかりに押し付けていたのかと思ったら、急に申し訳なくなっちゃって。」
「相方さん想いなんですね。でも、ヒロシさんもちゃんと検査に来てもらえれば、こんな大変な検査をせずに済むんですよ。」
「そうなんですか?」
「はい、そうなんです。」
エリカさんからの忠告を受けた俺は、今度から検査には極力、協力するようにしようと思った。
『そろそろ行こうかな。』
まだ19時だったが、今日は何も手につかない状態だったこともあり、俺はかなり早めに待ち合わせ場所に行くことにした。
駅前には多くの人たちで溢れかえっていた。
家路を急いでいる人、俺と同じように誰かを待ち合わせしている人、営業を終えて会社に戻ろうとしているであろう人など様々な人たちがいた。
『まだ19:15か。』
念のため、周囲を見渡してみたけれど流石に45分前だったのでヒカルさんの姿は見つけられなかった。
それからの時間は、いつもよりも長く感じた。何もしないで時間の経過を待つだけがこんなにも大変なことを始めて知った。
どれくらいの時間が経過したのだろう。体感としては、3時間くらい待っているような気分を感じていた時、スマホが鳴った。
「もしもし?」
「もしもし、すいません。今、駅に着いたんですが、ヒロシさんどこらへんにいますか?」
「俺は今、北口の改札前にいますが、ヒカルさんはどちらにいますか?」
「北口か。じゃあ、逆ですね。私が北口向かいますので、ちょっと待っててください!」
「分かりました。」
『もう少しでヒカルさんに会える。』
そう思うと、心臓の鼓動が早くなり五月蝿いくらいに感じた。
「お待たせしました!」
ふいに後ろから声をかけられ、俺は大きく身体をビクッとさせてしまった。
「驚かせてしまってごめんなさい。」
ヒカルさんは顔の前で手を合わせて、『ごめんなさい』と可愛らしい仕草で謝っていた。
「大丈夫だよ。」
その仕草に思わず可愛いと思ってしまった俺は、若干の裏返った声を出してしまった。
「ヒロシさん、もしかして緊張してますか?」
「うん、多少。」
俺は少し強がってしまった。
「良かった。実は私もすごい緊張してたから。じゃあ、一緒だ。」
恐らく、ヒカルさんは俺よりも数段、異性とのコミュニケーションに慣れているんだろうなぁと、この数回のやりとりで俺は感じた。
「じゃあ、お店行こっか。」
「はい。」
俺たちは付かず離れずの距離を保ちながら、お店へと向かった。


