春_

従姉からのお下がりを身にまとい案内された教室へ入る。小学校が6年生で統合してから一緒の同級生がそこには集まっていた。

「え、遥ちゃん制服小さくない?w」
うるせぇ、ばかやろうと言いたいところを我慢してこう言った。
「従姉からもらったんだよねぇ笑」
確かにみんな新品の制服で男子は特にブカブカ。親の期待を込められた大きめの制服を着た背中はまだ小さいけど笑

「彼氏作りたぁい笑」
お調子者の幼なじみがそんなことを言う。確かに小学校で一切恋愛出来てない私たちにとって青春が本格的に始まる…と思っている笑


先生に連れられ私たちはとうとう入学だ。レッドカーペットを歩く時なんてこんな時しかないからわくわくしている笑 だるそうに歩く人もいれば緊張で手と足が同時になってる人もいる笑 緊張でああなる人ってホントにいるんだ笑笑

最後列の私は3年生の男子の真ん前だった。平常心を保ちながら校歌斉唱のため後ろを向いた。いや近っ。少し俯いたまま校歌を聞き続けた。

長いようで短い式も終わり、幼なじみと写真を撮ったり、教室で挨拶を聞いたりと、ワクワクが止まらないことばかり。やっと中学生が始まる。期待と緊張の一日は幕を閉じた。


「ん、」この前からなぜか始まった手紙交換。手紙を渡してきたのは雅臣。小学6年生で出会ったが、小さい頃には親同士の仲が良く一緒に遊んだりしていたらしい。まぁ覚えてはないけれど笑雅臣の顔はそっぽを向いている。みんなにバレないように必死かよ笑笑