彼女のハートのなかには
〝プリンセス・メイ〟が鎮座している

常に、それに従って
清く正しく生きている


俺は〝王子〟を外側に貼り付けただけの
ふつうの男子高校生


だから

触れ合う場所から馴染んでいくふたりの熱に
じつは、どうしようもなく動揺していて



そんな俺を嘲笑うみたいに


濃紺にくるまる深い空を
きらり、一筋の金色が駆けていった