「い、いいけど、朝、わたしのことべつに好きじゃないって言った」
「言ってないよ、べつに好きじゃないってわけでもないって言おうとしたのに、途中で遮られた」
「なにそれまわりくどい、意味わかんない」
眉を顰めはわたしは文句を言ったのに、彼はふにゃりと柔らかく微笑んだ。
そして、とびきりあまい声で告げる。
「すきって意味」
ハートが、ずきゅんと音を立てて射抜かれた。
もはや痛みさえ感じるほどで、わたしは慌てて心臓のあたりを押さえてしまう。だいじょうぶ、穴は空いてない。
「ホシくん、王子さまみたい」
「やっと認めてくれた?」
お昼に、やきもちで八つ当たりしたわたしの暴言を、しっっかりと覚えていたらしい。
だって、わたしが心配して様子を見に来たのに、ほかの女の子と楽しそうにお喋りしてるんだよ?
告白かな?まあいつものやつか、というかんじで、すこしだけ待てばすぐにおわると思っていたら大まちがい。がっつり話し込んでるんだもん。
思い出しただけで、むかついてくる。
あの女の子、けっこうかわいかったし。ふん。
でも、ほんとうは、ずっと認めてる。
ホシくんは、どんな瞬間も星の国の王子さまだ。
ていうか、そうでなきゃ困る。
プリンセスのわたしに見合わないでしょ。



