わー!王子だー!声だけでかっこいいなー!ほんと、いい声!えー、なに話すんだろ?ちょっとー聴きたいから黙ってー!
みんなが騒ぎ出す。色めきだす。
学校全体を、放送ひとつでじぶんの星空にしてしまう幼なじみ。
ホシくんという存在は、いつもたくさんの光を集めてくる。ホシくんの声が響くだけで、わくわくさせられる。
みんながその放送に注目する。
みんながスピーカーを見上げるその姿は、流れ星を探す姿とよく似ている。
『プリンセス・メイ、きいていますか?』
あ、これは、わたし、だ。
近くにいたみんなが「メイちゃん、呼ばれてる!」とわたしに声をかけてくる。つづきが聴きたいわたしは黙って、こくこくと重ねてうなずいた。
うん、きいてるよ。ずっと、きいてる。
わたしは、ホシくんの声を、ずっと、きいてるよ。



