星屑も、月に尖る


だけど、ふわふわ少女のいつになく本気っぽい顔つきに、俺はちょっと圧倒されてしまう。そのせいで、つい、口ごもってしまった。


「え、いや、べつに、」


べつに、好きとか、考えたこともなかった。べつに、好きじゃないってわけでもない。

そう言い終えるよりも先に、ツキが口を開いて。


「だよね、じゃあ、王子さま探してくる」


朝8時、はっきりと宣言した。


あーもう、朝から、ほんと、しんどい。王子さまを、探す???

この俺が、目の前にいるというのに???


勇者ホシノチカイ、人生はイージーモード。ただし、手に負えない幼なじみの女の子がパーティメンバーという、縛りプレイである。