ホシくんに話したいことがあったので、放課後になってすぐに誘いをかけた。
そうしたら、「俺は用事があるから」と、わたしが教室で待たされるはめになった。



わたしが、ホシくんの用事を待つというのは初めてのことかもしれない。逆は、ある。わたしが待たせるのは、わりとよくある。


でも、きょうは、待つ必要があった。なぜなら今夜は、ふたご座流星群の活動が、10時頃に極大を迎えると予想されているからだ。

ことしは、極大が日本で観察しやすい時間帯に比較的近いうえ、新月のため月明かりの影響もなく、かなり良い条件で観察できるらしい。


うん、わかると思うけど、わたしはプリンセスと同じくらい星が好きだ。
だから、このチャンスを逃さず、幼なじみのお星さまを誘わなきゃいけない。


流れ星は、彼といっしょにみたい。


放課後の教室、もうすでに暗くなってきた冬の空を眺めて待つ。雲は少なめ。うん、流れ星日和。


流星がもっとも多く現れそうなのは、今夜から明け方にかけて。

日付が変わる頃、空の暗い場所で観察すれば、最大で1時間あたり55個前後の流星が見られると予想される。らしい。


とっても、たのしみ。


東京の真ん中では見られなそうなので、遠くにお出掛けしたい。お父さん、車で連れて行ってくれるかな。お仕事で疲れてるかなあ。