そんなことを考えてる間に、首を振るのに疲れてやめたツキがご自慢のツインテールを整える。集中力は、たった8秒しかもたなかった。
それから。
「わたしが王子さまに結婚申し込まれるまで、」
「ん」
「誰かひとりの王子さまになっちゃだめだからね」
しっかりと言い聞かせるように、教え込むように、ツキが言う。
束縛魔だと、おもう。
ただの幼なじみ相手にこれなのだから、恋人にはもっとひどいのかもしれない。経験がないだけで、じつは、恋愛に支配されるタイプなのかもしれない。
だけど俺は、この幼なじみの拘束をひどく心地よく感じていて、ずっと解けなくてもいいのになと、願っている。
いまの俺にとって、死因はあんまり重要じゃない。
ただ、死ぬときまで、ツキの退屈な話をきいていたいし、ばかみたいに笑ってるのを見ていたい。
ふわふわと〝ホシくん〟って呼んでもらえたら、それ以上に望むものって無いような気にさえなってくる。
ああ、もう、やだ。
ツキのことを考えてばかり、いる。
これは、すこし、しんどいかもしれない。



