乃蒼side

ついに学園祭は3日目、最終日となった。

午前中は文化祭なのでどこに行こうか迷っていると、雪ちゃんが話しかけてきた。

『先輩のとこ行かないの?』

『…で、でも』

『何があったのかは知らないけど、今のままはよくない。私も暗い顔した乃蒼は見たくないよ?』

雪ちゃんは同い年とは思えないくらい大人っぽい。困ったことがあると助けてくれるし、ホントにかっこいいと思う。

一ノ瀬先輩を探し回った。気づけば11時を過ぎていた。

…どうしよう、全然見つからない。

そう思った次の瞬間、先輩らしき背中を見つけた。

『一ノ瀬先輩っ!』

「…乃蒼ちゃん、どうした?」

『先輩、避けないで…』

先輩のジャージの袖を掴みながら泣きそうになる。

「え?何のこと?あぁ、泣かないでー。」

慌てる先輩。

『昨日、話しかけてくれなかったじゃないですか…。』

「…今時間大丈夫?もし良かったら部室で話さない?」

周りには蓮もいたので私たちは部室に行くことにした。


部室に着くと、先輩が口を開いた。

「ごめんね、俺避けたつもり全然なかったんだ…。」

そう言って泣きそうな私を抱きしめてくれた。

『じゃあ、なんで…。』

「乃蒼ちゃんが男の子と話してて…」

『?』

「…嫉妬したみたい。」

耳を真っ赤にしてそう言う先輩。こっちまで恥ずかしくなって顔が赤くなる。

『そうだったんですね、なんかすみません…。』

「いや、俺が悪い。本当にごめん。」


お詫びに、先輩と一緒に残りの文化祭を回ることになった。