ー次の日

今日も早い電車で学校に行ってみた。

先輩いるかな…。

体育館に行くと、昨日と同じくボールの跳ねる音が聞こえてくる。

ドアを少し開けて中の様子を伺うと、ボールが転がっているのが見えたが、先輩の姿はなかった。

あれ?

『……なんだ。一ノ瀬先輩いないんだ。っうわっ!』

そう呟いた瞬間、いきなりドアがガラガラッと開いた。私が重心をかけていた方の扉が急に動いたので少しよろけたが、すぐに筋肉質な腕に支えられる。

「あれ!?乃蒼ちゃん?ごめん、そんなとこに人がいるなんて思わなくて…。」

『え?先輩!?今、どこに居ました…?』

「え、そこ。」

先輩が指を指した方を見ると水筒が置いてあった。

…そこは見えないですって。

「で、今日はなんの仕事しに来たの?」

あ、そーだった。

『えっと…。こ、これを先輩に…。』

朝作ってきたおにぎりを渡す。

「え、本当に作ってきてくれたの?」

すごい驚いている先輩を見て少し不安になる。

もしかして迷惑だったかな…?

「ありがとな。これで今日も頑張れる。」

そう言って笑ってくれた。

『よ、よかったです。じゃあ、私はこれで…。』

「え、帰っちゃうの?」

『は、はい。どうかしましたか?』

私になんか用事でもあるのかな?

「……もう少し一緒にいたいかも…。」ボソッ

『え?』

いいいい、今、なんて!?