先輩とモップをかけていると、隣からぐぅーっという音がなった。隣を見ると耳を赤く染めた先輩がいる。

「…聞こえた、よね?うわ、恥ずかしー。」

『先輩、まさか朝ごはん食べてないんですか?』

「いや、食べたんだけどさ、やっぱ運動するとお腹空いちゃうんだよね。」

まぁ、分からなくもない。

『先輩、もし良ければ私が持ってきたおにぎり食べます?』

「え?」

先輩が目を見開いて驚いている。

余計なお節介だったかな…。

「いいの?」

先輩はキラキラした笑顔でそう言った。

『は、はい。2つあるので。』

私はモップを片付けながら返事をする。

…そんなにお腹空いてたのか。


リュックからおにぎりが入っている袋を取り出して、先輩にあげる。

『ど、どうぞ。私が作ったのでお口に合うかわかりませんが…。』

「いやいや、ほんとに有難いよ!いただきます。」

大きな口でおにぎりを頬張る。

私は、おぉ、そんな風に食べるのか、なんて思いながら先輩の反応を見ていた。

先輩は1口目のおにぎりを飲み込むと、

「すっごい美味しい!こんなに美味しいおにぎり、初めて食べた!」

と眩しい笑顔で言ってくれた。

『先輩のお口にあって良かったです。』

私も自分の分のおにぎりを食べながら言う。



私は料理が得意なので、先輩に喜んでもらって嬉しかった。

「ご馳走さまでした。すっごい美味しかったよ。毎日食べたくなっちゃうくらい。」