後ろから高宮さんが言った。真剣な目をしてまっすぐ先輩のことを見ている。

すると先輩はため息をついて

『…わかった。でも判断するのは部員がやる。異論はないね?』と言った。

『はい、ありがとうございます!』

高宮さんは潔く礼をする。そして私を見た。

『乃蒼ちゃんもそれでいい?急になっちゃったけど…。』

『は、はい。大丈夫です…。』

驚いたけど承諾した。正直、私も公平に決めてほしかったしね。

『じゃあ、今日は乃蒼ちゃんが仕事やるからどんなことやってるか見ててくれる?で、高宮さんには明日仕事教えるから、金曜日に来てやってみて。』

『わかりました。』

先輩がこっちを向いて『じゃあ、今日のメニューは…。』と説明してくれる。

うんうん、前やってた通りにやれば問題ないよね。

それから90分間ずっと働きっぱなしだった。確かにこれは教えている時間なんて無いわ…。

「マネージャー、ドリンクは?」

『か、かごに準備してあります!』

「マネージャー、突き指したー。」

『じゃあこっちに来てください。』

「マネージャー!」

おおおお、結構頼られるもんなんだな。前はこんなに頼られなかったから、なんだかやりがいがあるなぁ。

マネージャーの仕事は大変だったけど、中学の頃に比べればこれくらいどうってこと無かった。

そのあとも順調に仕事をこなしていた。

「マネージャーさんっ。」

『は、はい。どうしましたか?』

後ろから声をかけられたので振り向くと、思ったよりもすぐ目の前に、ミルクティーカラーの髪の毛ときれいな顔があった。