『やばい、鈴木先輩かっこいい!!』

…耳に響くなぁ。

てかさ、え??みんな、あれでいいの?精神年齢5才ですよ?

…でも前見たときよりも、レシーブもアタックもずっと上手くなってる。フォームを変えた気がする。すごいうまい。



……うらやましいな。

『キャーーー!すごいぃ!』

隣で小木さんたちがキャーキャーさわいでいる。自分の兄があんなに騒がれてるなんて、なんとも複雑だな。

これは妹として喜んでもいいものだろうか…。



『次、一ノ瀬先輩だよ!』

もう1人のイケメンと呼ばれる人の方を見る。さっきまでの談笑していた時の楽しそうな表情ではなく、ボールの軌道やチームメイトの動きに注意しながら、試合の時の真剣な表情になっている。


すごい…。集中力がちがう。


軽やかにステップを踏み、鳥のように高くジャンプする。

っ高い!

落ちてきたボールを完璧なフォームで反対側のコートに打つ。

バァァァンッ


『キャーーー!かっこいいぃぃ!』

『やばい、好き!』

『あー、確かにかっこいいわね。』


隣で雪ちゃんが冷静に言う。




『え。今の…。』

あの完璧なアタック、…見たことある。



『ねぇねぇ、どう?どう?かっこいいでしょ!?かっこいいよね!?』

興奮気味に渡辺さんが言ってくる。私は『う、うん。』としか答えられなかった。

しばらく放心していた。

……なにあれ、もう一回みたい!